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COLUMN

【和尚の問わず語り】vol.1/3 「見て見ぬふりしない」

2020.03.09

上京した朝のことです。満員電車にベビーカーをおして若いお母さんが乗って来ました。
車内はすし詰め状態で、赤ちゃんが乗るベビーカーは押しつぶされてしまいそうな状況でした。
乗り合わせた乗客らは「なんでこんな混雑する時間帯に乗って来るんだよ」と、

あからさまに不平不満を口にします。
その時数人の女性たちが赤ちゃんの回りを囲んで守ってくれていました。
考えてみると、きっとこの若いお母さんには、

どうしても混雑する電車にわざわざ乗らなければならぬ何かがあったのではないかと思うのです。

その事を少しでもおもんばかることが出来たならばと思うと、不平不満の声が残念でなりません。
確かに相手の身になって物事を考えることは、なかなかできないことだと思います。
しかし赤ちゃんの回りをガードしてくれた女性たちのように、

見て見ぬふりをしない行動が、相手の身になることだと気づかされました。

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プロフィール
住職 長峰広道
昭和34年8月24日に新庄市に生まれました。駒澤大学仏教学部禅学科を卒業後、福井県にある大本山 永平寺や横浜の總持寺での修行を経て、平成11年から20年間、福田院の住職をしています。
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