2020.03.09
幕末、多くの大物を輩出した松下村塾の塾長と言ったら、有名な吉田松陰でありますが、
「私塾」という本の中に次のような話があります。
高杉晋作や伊藤博文といった多くの弟子たちが松陰のもとに集まって来るのですが、
松陰はただ黙って、弟子たちに一冊ずつ本を読ませるのでした。
そして「本を読んで自分自身でここが良いと思ったところに付箋を置くように」
といって和紙を細かく切って渡したのです。
弟子たちはツバで付箋を張り一生懸命に本を読みました。
一冊読み終わると「読んだ奴から俺のところに来い」と言って、
ひとりひとり付箋の入った本を持って来させ「どうしてここが心にのこったのか言ってみなさい」と問い、
弟子の考えを良く聞いてから、そこではじめて説明し教えるのでした。
私たちは「教える」と言うことを「相手の持ってない能力を与えること」と考えています。
しかし松陰はこう考えていました。
「育った環境も、感性も、理性も、父母の教えも、人格も違った人間に同じ本を読ませて、
同じ話を聞かせるのは本当の教育ではない。
何がその人の心を動かしたのか、何がその人を感動させたのか、未知の可能性というか、
その人の持っている素晴らしい能力をどうしたら引き出してやれるかと
真剣に考えてやるということだ」と。
深いナァー。松陰先生恐るべし‼️