2020.09.25
『すべからく知るべし 時光はむなしくわたらず 人はむなしく渡ることを』
道元禅師
昔、お月さんと、お日さんと、雷さんが旅をしました。宿についた三人は夕食もすませ
お風呂に入ってその日は早々に寝床につきました。
あくる朝、雷さんが起きてみるとお月さんとお日さんの姿が見えません。不思議に思って
宿の主人にたずねました。「おはようございます。ちょっとお尋ねしますが、昨日一緒に寝たはずの
お月さんとお日さんの姿が見えないのですが、ご存じありませんか」
主人が言いました「雷さん今お目覚めですか。お尋ねのお月さんとお日さんなら、もうとっくにお発ちになりましたよ」雷さんが言いました「そうですか、お月さんとお日さんもう発ってしまいましたか。月日の経つのは早いもんだなあー」「ところで雷さんはいつお発ちになりますか。そうさなあー、わしは夕立にしょう」
という小話があります。
月日の経つのは早いもの、「光陰むなしく渡ることなかれ」と言いますが、これは時間のほうがむなしく過ぎているわけではなく、流れ行く時間を無駄に過ごしているのは人間のほうだと、教えているのです。
そうかもしれませんねー。